先日「死神くん」を全巻読み終わり、とんちんかんの昔の録画を見てみたりアニメ主題歌CDを聴いてみたりして、自分の思い出補正もあるがテンションがえらいことになってます。
まとまらないですが感想。
※漫画の性質上、死に関する話題が多いです。ご注意下さい。
■「死神くん」の感想
すごく面白かった!! 私この漫画すごく好き!!
前の記事にも書いたけど、この作品の「死」に対する捉え方が中立的なので好きなんだ。
中立的というのは、死を必ずしも否定的に描かないということ。
むしろ生きることは苦しいという表現も出てくる。
この漫画では死神は不吉な存在ではなく、死んだ人間の魂を霊界に送るのが仕事ということになっている。人の死は運命で決まっていて、死神が決定するわけじゃない。
死は悪事の報いではなく、死は死であるだけ…っていうのがすごく自分の心に響いた。
確かに死にたくないっていうのは共感を呼ぶと思うし、誰しも思うことではあると思うが、人間はいつか死ぬのでそれを受け入れるというか、その限られた時間の中でやれることをやって、安らかに死を迎えるところを描いている。ここがすごく好き。
むしろこの死神くんは親切じゃないかとすら思った。あと三日の命だとか余命宣告してくれるんだもん。それだけ時間があったらそれなりに準備できるから助かると思ってしまった(笑)事故死は本人に伝えてはいけない(本人が事故を回避しようとする恐れがあるため)という決まりがあるけどその人がお人よしそうだからとかの理由で伝えちゃうし(笑)
それと全て一話完結なのもすごく好きな点。死神くんを読んで、私は結末欠乏症だったなと思った(笑)最近まで超長編漫画に付き合ってたから無理もないけど。それに元々一話完結方式が好きなので。というか私はやっぱり一話完結方式が好きだわってなった!!(笑)
しんみりしたりジーンとしたり、えーっとなったりいろんな終わり方があったけど、ちゃんと終わるし必ず四段ぶち抜きコマで終わる安定感が良い。
ただ必ず一話で終わり、作者のこだわりで(最終巻に作者の解説があった)どんでん返しが連続するので、展開が急というか登場人物の心境についていけないみたいな部分も正直ある。進撃のアルミンが「何も捨てることができない人には何も変えることはできない」と言っているが、死神くんではあまりにもあっさりと潔く捨ててしまうので、人によってはえってなるかもしれない。私はその潔さも好きなんだけど。キャラが迷ってしまうとぶっちゃけページが足りない、もたないっていうのもあると思うが。
特に好きな話は2巻の「歌あるかぎり」と3巻の「人生ラーメン」の話です。両方、時代の違いでツッコミどころもあるがすごくじーんとしたし終わり方がすごく好きでツボだった。
一言で言うと「心だよ心」です。これは名台詞です。
また機会があれば各々の感想や各巻好きな話とか語りたい。
死神くんを読むと死神=怖いもの なのか? ってそもそもの疑問が出てくる。
人はいつか必ず死ぬ、なら死神を過剰に恐れるのはおかしいということになるし。
作中に言及があるけど、おれは人を殺さないって言ってるしね。
死神くんの死神像がどっから出てきたものなのかすごく興味がある。
コイチ先生(本人がお名前で自称されてるので名前で呼びます)独自の物なのか、元ネタ的な何かがあるのか。
…と思って落語の「死神」を聴いてみたらスコーンとハマってしまって、YouTubeの死神の落語を上から少しずつ再生して聴いてます。
あと死神といえばデスノートですが、デスノートの死神の設定がある程度死神くんの設定を踏襲していたり、大場先生が独自に膨らませたのかなという部分がある。そこが今読んでて面白かった。大場先生は確実に死神くん読んでるなと思いました。
あと死神の名刺がめちゃめちゃ好きだ~。書いてあることが作りこまれてて数字も死神関連になってるしー。もう書ききれない!
■アニメのとんちんかんを見た&主題歌
実家にビデオ録画(VHS)したのがあったので、持ってきて繋いで見てみた。
コイチ先生が死神くんでどんでん返しの展開を「あらぬ!!」(方向にストーリーが進む)と表現しているのだが、まさに「あらぬ!!」の世界だった(笑)
ギャグ漫画では普通の少年漫画の常識が通用しない!!というのを見せつけられ、でも私だから少年誌のギャグマンガ好きなんだよなぁと再確認し、そもそもベタなギャグが好きなのでめっちゃ笑いました(笑)。(私は笑いのハードルかなり低いです)
予告の抜作先生「笑っていただきます」というのがいいな~。
というか抜作先生の声がめちゃくちゃしっくり来てるし合ってるしすごい!!
抜作先生の予期せぬボケやギャグに生徒がちゃんとツッコミを入れてくれるのが優しい!!と思ってしまう(笑) なんでそこを間違う!?!?ってレベルだもん。
それと主題歌が入ってるうしろ髪ひかれ隊のCDを聴いたのだが、もう全てにおいて懐かしかったしこんなんだったってすぐ思い出した。アイドルについては全く無知なのだが、決して歌がうまいわけじゃないんだけど(すみません)、どこか物悲しさがあってそこが不思議と作品に合っていると思えてヘビロテしている。
特に「ほらね、春が来た」が好き。春の浮足立った気分とかカモン×4とかすごいリズムが良くてハマった。アニメのとんちんかんのメンバーが演奏している体もすごく好き。
あと、春が来たには「スキップ」という単語(スキップのギャグがある)、ごめんねカウボーイには「コンクリートジャングル」という死神くんのサブタイトルが入っていて、これは秋元氏が気を利かせて入れてくれたのだろうか、それともただの偶然なのか…ってびっくりしたけど、アニメでは見事にカットされているという…ギャグ漫画的きれいなオチ(笑)
あと書き足りない事…コイチ先生は女同士の関係や老人を描くのがすごく上手い!! と思ったのだが一応少年誌掲載にもかかわらず何なんだろうこれ…すごく不思議。でもそんな所もすごく好きだ。
本当に書ききれないのでまた機会があれば!